ユニオン・パシフィック 2
もちろん、現在の企業に対し、要求されている社会的責任や企業倫理や一般の道徳的規準で、当時の企業家の行動や倫理を単純に評価したり批判したりすることはできません。
しかし、当時のアメリカ鉄道界に君臨していた泥棒貴族の道徳観は、社会的責任など問われなかった当時としても最低であったにちがいありません。
あこがれの的セルフ・メイド・マンこれら鉄道事業家たちの多くは徒手空拳で貧から身を起こした成金であり、当時の出世のパターンでした。
ニューヨーク・セントラルの鉄道王バンダービルトにしても、それに立ち向かった3人組、ドルー、グールド、フィスクにしても・・・
また、グレート・ノーザンのヒル、セントラル・パシフィックの4人組のハンティントン、スタンフォード、クロッカー、ホプキンスなどは、いずれもこのパターンで成り上がった成功者でした。
これに対し、のちの経営史家トマス・C・コクランは1845年から90年まで鉄道に関係した61人の事業家について調査した結果、その3分の2から10分の9までは中産階級の出身であり、そのうち51人は東北部生まれ、21人は大学、大部分は高校卒であったことを明らかにしています。